ペットフード公正取引協議会は1974年に創設され本年度に第51期を迎えました。去る5月26日に、第50期の会員総会が無事に終了致しましたことを、ここに報告致したいと思います。
日本国内は、為替の円安による原材料高や、あらゆるものの価格が上がるインフレ環境下で、賃金の上昇が後追いの形になり、今後の消費動向が冷え込みペットビジネスにも影響を与えることが懸念されます。また欧州での戦禍等の終わりが見えない中で、中東での紛争も勃発しており、不穏な海外情勢により景気が悪化し、国内ペットビジネスへの影響を与えることも懸念されます。このような環境下でペットフードビジネスは、会員社の不断の努力により、近年、数量減ながら金額ベースを継続的に増加させているという状況です。
さて、当協議会は半世紀を超える間、製品の表示や取引の景品類の規制を行い、業界の健全な発展に寄与して参りました。そのような中で最近のトピックスとしては、2023年10月1日に改正景品表示法が施行され、「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」いわゆるステルスマーケティングが景品表示法違反であるとされております。ペットフードの広告に関してもこれを遵守することが要求されております。 また、いわゆる「No.1」問題として、事業者が明確な根拠を持たずに恣意的に「No.1」表示や宣伝を行うことが、消費者保護の観点から問題であると注視されており、会員各社に注意を促しているところです。
また、当協議会は、関係法規や公正競争規約遵守を進めるべく各種の普及啓発活動を実施しております。違反摘発は規約遵守の一手段であると認識しております。
普及啓発活動の一つとして、規約説明会等に加え、本年度も単独でブースを設けて、25年4月東京、6月大阪開催のインターペットに出展致しました。そこで事業者向けには表示に関する相談会、及び規約事例のセミナー開催、来場した消費者向けには各種アンケートを実施することができました。また重点活動として、本年度も7月の仙台市、11月の金沢市の試買検査会を計画しております。この試買検査会には消費者モニターにも参加して頂き、ペットフード表示の理解や、公正競争規約及び関連する法律の理解を深めるとともに、消費者目線での製品表示等の問題点を挙げてもらうという場にもなっております。
ペットフード公正取引協議会は、その長い歴史の中で、これから益々業界の健全な発展を全うしていく為には、時代の変化に対応すべく、進化するペットフードの様々な表示に対応した公正な競争ルールを継続的に見直し、消費者の利益に資する表示の実現へと図ってまいります。
最後にペット関連産業の益々の発展と会員者の皆様のご健勝を祈念致しまして、本年度の挨拶とさせて頂きます。
2025年6月吉日
ペットフード公正取引協議会
会長 小原俊郎